XC02210018

バハバイト・エル＝ハジャルにおけるイシス神殿の役割 : 都市形成過程における信仰の影響

The Role of the Temple of Isis at Behbeit el-Hagar: The Influence of Worship on the Process of Urban Formation

駒澤大学文学部研究紀要80

駒澤大学

2023-03

1

18

04523636

日本語

AN00093767

departmental bulletin paper

P

本論はナイルデルタの都市バハバイト・エル＝ハジャルに建造された古代エジプト最古のイシス神殿の歴史的背景を知ることにより、その後地中海世界で広範囲に展開されるイシス女神信仰の拡大・伝播のメカニズムと受容・変化のプロセスを明らかにすることを試みるものである。結果として、政治経済に基盤を置くことによって発展を遂げた都市が他地域・他時代には多いという現象と比較して、ナイル河流域で発展した都市は、政治経済の中心であるだけではなく精神的な拠り所である宗教拠点であった意味合いが強かった点を指摘する。イシス神殿を包含するバハバイト・エル＝ハジャルはその典型であった。古代エジプトでは、神々に対する宗教と信仰が都市の在り方とその盛衰を左右したのである。

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